んま!

約15年間、家業の養殖に携わってきた平林は「2日海苔を取ると月給取りの1ヶ月分の収入になった」と振り返るが、年明けから最盛期を迎える現場は寒さと労働時間の長さから過酷なものだった。

起床は午前2時。前日に取った海苔を刻み、形を整え、干す。男衆は午前5、6時に船を漕ぎ出し、昼過ぎまで海で海苔を採った。1日で3000枚分、良い日は5000枚分も採れた。夕方以降も干した海苔の取り込み、海苔をはがす作業と休む暇もなかった。

「口は悪いが悪口は言わない。急に風が吹いて沖に流されるような危険もあったから、助け合う仲間同士の絆は本当に強かった」かつての生産者達はそう口を揃える。